ロンドン街歩き(2) カムデンパッセージ マーケット
ロンドン街歩き
以前、庶民的な骨董品の集まる地域の一つ、土曜日の「ポートベローロード」のお話をしましたが、今回は、もうひとつの地域、カムデン・パッセージをご紹介します。
ポートベローロードは、ロンドンの中心から見て西にあり、地下鉄「ノッティング・ヒル・ゲート駅」から北に続く通り沿いです。 反対に、ロンドンの東にはもう一つの「カムデン・パッセージ」があります。 地下鉄「エンジェル駅」から北に200mほど歩き、右方向狭い通りを入ります。
カムデンを訪れるときに、気をつけなくてはいけないのは、多くの店は水曜日と土曜日、日曜日に営業します。日にちを選ばないと寂しいショッピングになってしまいます。月、火、木は特に避けましょう。
規模はポートベローのように大きくありませんがこの一帯、通りを挟んで古くからの専門店が並びます。時代がかった、服飾、家具、家庭用品、食器、陶器、ジュエリー、アクセサリーなどなど、個性満載、専門的な興味は尽きません。
奥まった路地の交差する小さな広場はマーケットが開かれる場所です。中心部にあるのが「ピールポント」その先には「チャールトンプレイス」などがありますから、骨董屋台で気軽なショッピングも楽しめます。 この地域は地味ではあるけれど、ユニークなファッション、小さなレストラン、アートなど、日々に変わっていくような気がします。 大きな文化都市ロンドンで、小さな個性を感じたかったら是非お勧めしたい気軽な路地歩きです。
さて、ジュエリーの専門店を覗くと、アールヌーボー、アールデコの高級品をたっぷり見ることが出来ます。これは大きな魅力。以下、ちょっと知識を持って覗くのもいいかも。自分のジュエリー知識の幅を広げることが出来ます。
1900年のパリ万博(第5回)を機会にヨーロッパの芸術家たちは日本の文化・美術に影響されたそうですが、デザイン、工芸では多くの絵画、建築、家具、ガラス器などが生まれ、現代もなお高価に取引されています。ジュエリーにおけるアールヌーボー様式は、それを機に、女性、動物、植物、昆虫などの物語をモチーフに、具象的にデザインされているものになります。
1925年パリ万博(第6回)では、北アフリカの文化が抽象的なアートとして世界に受け入れられました。ヨーロッパで発展し、洗練されてアメリカ、日本にもたらされ、1930年以降の有名建築は今も世界中に多く残っています。 ジュエリーにおけるアールデコ様式は、対象物の単純化、幾何学的、連続模様であり、このデザインのルーツは今なお発展を続け、受け入れられているものです。
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