ジュエリーの歴史の始まり(3)~アテネ

ジュエリーの歴史の始まり(3)~アテネ

今、皆さんが楽しんでいるジュエリーはどこから来たのでしょうか。

「ギリシャの最盛期アテネの時代」

古代ギリシャでは様々な地で都市国家が発展し、その中でも「アテネ」は古代国家の 代表として、今から約2500年前に全盛期を迎えました。

アクロポリスの丘

パルテノン神殿を含むアクロポリス山がアテネの中心です。建造物や装飾美術は壮大であり、神々の彫刻が美しく表現されました。 この時代はエーゲ海周辺の各地、各島に植民地としてギリシャ文明が広く浸透し、宝石に関連して考えると)石の彫刻がより写実的に美しいものとして発展した時代ではないかと思います。この時代の美しい彫刻は、多くの美術品として鑑賞することができます。

ペルガモン大祭壇の壁面の彫刻

 
特に代表的なものでは、トルコの沿岸に栄えた「ペルガモン王国の神殿」の彫刻が有名です。ドイツ、ベルリンのペルガモン博物館にて、移設して展示されていて、ゼウス大祭壇の壁面を覆ったリアルな彫刻を見ることができました。見事な彫刻の装飾はバロックの原点とも言われます。

同様にパリのルーブル美術館の階段正面に飾られた、羽を広げた女神「サモトラケのニケ」(ロドス島)は今まさに空から舞い降りたようなリアルさがあります。

サモトラケのニケ
ミロのビーナス

さらに、海から引き揚げられた大理石の彫刻「ミロのビーナス」は人間的で、写実的な立体像の彫刻で、大理石を彫刻した宝石のように思え、ジュエリーの歴史の延長になるのかなーとさえ感じます。

地中海を中心に多くの地にアテネの植民地跡として遺跡が残っています。最も影響したのは、アテネの哲学や科学、宗教、民主主義など、後のヨーロッパに特に大きく影響した、「ものの考え方」でした。

これが地中海世界の植民地を通じて広まっていき、後のローマ文明発展の礎となっていきますが、宝飾品の彫刻や黄金を使ったジュエリー文化も同じように広まり、ローマ時代、ヨーロッパ文明へと引き継がれていきます。


次のコラムへ

前のコラムへ

ジュエリーの歴史の始まり

コラム トップへ